アルベロクオーレ株式会社 会長
吉野林業再生のためには路網整備と直営化が必要であると痛感し、1979年から所有林で作業道づくりに取り組み、翌年から、大橋慶三郎氏に師事しました。 以来、作業道づくりの実績を積み上げ、日本全国各地で壊れない道づくりを広め、山林所有者の一助になればと思い活動を続けています。
森づくりには長い時間がかかります。 吉野では200年や300年も前に植林された林があります。全ての植林された林が高齢樹になる事はありませんが、その林の寿命まで育てて行くものと思っております。吉野林業を見てきた私は、何度も間伐を行う多間伐施業にこだわりを持っております。 人工林を100年以上の林分に育てる事は山の地力回復や保水など下流の農業、漁業にも深い関連があります。 人工林は人が永く管理して行かねばならないと思っております。 そのための基盤として、どういう道づくりをしていかねばならないのか考える必要があります。
長い時間の一部に乗ったつもりで山林を見ていけるような、そして次の乗り手に伝えていけるような人柄を磨いてほしいと考えます。 アカデミーでは林業に関する様々なことを学ぶと共に意欲のある仲間と切磋琢磨し、人として成長できる環境があると考えます。 また、行政と現場には壁があります。 しかし互いになければならないものでもあります。 卒業後、それぞれの道に進まれてもお互いを垣根越しにでも理解出来るよう、信頼関係を築いてもらえたらと思います。
路網計画の理論と実践奈良県では大橋慶三郎先生の道の理論を深く取り入れた奈良型作業道が推奨されています。 作業道の講義内容も時間も他校に比べて充実しています。何故、奈良型なのかを学んでいただきたいと思います。また、道の大事さ、必要性を伝え、一つ間違える危険さも伝えられたらと願っております。