生徒紹介

生徒紹介

登山で訪れた屋久島で見た、屋久杉
わたしの人生が大きく変わりました

2021年入学
(2021年 6月 取材)

フォレスター学科渡邊 祐示さん

もともと林業の仕事に就いたことも、手伝いをしたこともなかった渡邊さんは、登山目的の屋久島での出会いで山と人との重要な関わりに気づき、興味を持ったそうです。吉野林業を体験する機会があり、次世代に森をつなぐ存在になると決めたのです。まさにパイオニアにふさわしい心意気ですね。

長年CGの会社で映像を担当。なぜ林業へ?

Q.林業に興味を持ったきっかけは?
渡邊:もともと東京で、長年CGの会社で映像の仕事をしていました。

林業に興味を持ったのは、なんと入学の前年の秋です!
登山で訪れた屋久島の屋久杉に感動し、林業家の高田久夫さんという方の本と出会ったことがきっかけでした。その本には『1000年先の屋久島を考える』ということが書いてありとても感銘を受けました。

それでお土産に買った屋久杉の廃材を家で削ったりして遊んでいました(笑)。

そうしていたら、インスタグラムで「吉野で林業体験しませんか」という広告が入ってきたので、導かれるように参加することにしました。

Q.インスタグラムに広告が! それはすごいご縁ですね。
渡邊:そうなんです。
それで吉野に昨年の12月に林業体験に来て、「吉野林業」に初めて触れました。そこで「奈良県フォレスターアカデミー」が開校するということを知り、やってみたい! と思いました。

吉野山を歩いていたときに、眼下に雲がひらけて、
金峯山寺が見えて、『このままここにいて良いよ』という森の声が聞こえた気がして。
それで東京に帰って妻に「林業やってみたいんだ」と話してみたんです。

Q.奥様はどんな感じだったんですか?
渡邊:「 お金はなんとかなるよ」って言ってくれて。

それでアカデミーを受験して合格したので、
会社をやめて夫婦で奈良に行くことにしました。
Q.なんて素晴らしい奥様!
渡邊:そうなんです(笑)。もう導かれたみたいに。

僕もそこまでは「環境問題は自分にはどうにもできないこと」って思っていたんです。
でも森林組合の方々から、現状の林業の問題点などを聞いて、僕なりに色々と考えるようになっていきました。
Q.「スイス式」という要素にも惹かれたとか。
渡邊:パンフレットのスイスのフォレスターの写真を見て、単純にかっこいいなあ~と思いました。

思っているより若いんだな、とか、半袖なんだな~とか(笑)。

スイスって国内水準が高いし、自分たちの生活を国内産でまかなう。無理にハウスなどをつくらずに旬のものをいただく、という考え方で、丁寧で無駄なコストをかけないですよね。

「抗(あらが)わない」というか。僕たちもこれを目指していけたらなあ~って。
Q.ところでどちらにお住まいですか?
渡邊:東吉野村で、空き家だったところに住んでいます。

色々な場所を見てまわりましたが、僕達にはここが合っているかなと感じて。

妻は隣町の有機農家さんで働くことになりました。
Q.いいですね。休日はどんな風に過ごしているんですか?
渡邊:同級生や先生と、毎週色んな山に登っています。
野鳥に詳しい方がいて、色々と教えてくださるんです。
自宅の裏山なんかも探索していて、日々楽しいですよ。
Q.これからやりたいことはありますか?
渡邊:学びに並行して、自分で実際に考えて、裏山で仕事などを見つけてやっていきたいなって思っています。
Q.先輩として、メッセージを。
渡邊:講師のみなさんも学びの仲間も、山や自然、生き物を守り残す、循環するという価値観や想いが本当に
熱く、情報交換などもでき素晴らしい環境だと思います。

日本の原点、奥深い吉野の土地も、面白いですよ。