生徒紹介

生徒紹介

内定が決まった学生に聞くこれからのキャリアビジョン

2021年入学、2022年卒業
(2022年3月取材)

フォレスター学科、森林作業員学科原田 拓、平岡 俊道、国本 峻さん

卒業間近(当時)の先輩に聞く、これからのキャリアビジョン!奈良県フォレスターアカデミーでは、フォレスター学科、森林作業員学科、森林管理職とありますが、その違いもお話していただきました。

あらたな林業の可能性をひらいていく、先輩たちの進路は?

Q.進路の決定おめでとうございます! どちらに就職が決まりましたか?
原田(フォレスター学科):僕は、「中野林業株
式会社」に就職します。この会社は作業道づくりや吉野式間伐、広葉樹林択伐などがあります。この会社を選んだ理由として、自社の山を自社で管理する会社なので、奈良県フォレスターアカデミー(以下NFA)で学んだ森林の管理や経営、森づくりなど多くの学びやスキルが活かせると感じたことと、この会社が広葉樹の択伐という新しい取り組みにチャレンジしているという点です。NFAで学んだ森づくりの知識が活きれば、仕事を続けていく上でのモチベーションになると思ったからです。これからフォレスターとして、市町村に行かれる森林管理職の方々と事業体側との橋渡し役になれたら嬉しいなと思っています。
平岡(森林作業員学科):僕は地域おこし協力隊として黒滝村に行きます。黒滝村森林組合の皆さんと一緒に林業の現場で働くこととなります。もともと「特殊伐採」がしたくてこちらを選びました。
国本(森林管理職):僕は奈良県内の市町村役場へ林務担当として配属されます。森林の適正な管理や林業の活性化に関わりたいと思ったため、この進路を選びました。
Q.フォレスター学科、森林作業員学科、 森林管理職とありますが、 どのような違いがあるのでしょうか?
国本:基本的に最初の募集枠から違って(下図参照)、「森林作業員学科」は1年で林業の基礎を学び、それにプラスして「フォレスター学科」は2年目で総合的な経営等の知識も学びますが、僕のような「森林管理職」は、県職員として採用されて「フォレスター学科」に入っています。卒業後は市町村にいくと決まっています。
Q.原田さんと国本さんは、 フォレスター学科の第1期生として 初めての卒業生。今のお気持ちは?
国本:そうですね、この学校の特徴の1つでもある、「行政の職員が学校で学生らと一緒に学び、それから市町村に派遣される」ということは、日本の中でもはじめてのことなので、学びが活かされ活躍できるかどうかは実は僕らにかかっているので、かなり期待を背負っていると感じます。
原田:「フォレスター」としてどのように地域のお役に立てるか、しっかり頑張らないと!と思っています。

気になる将来やキャリアのビジョン!先輩たちはどう考えてる?

Q.この先どのようになりたいか? 将来やキャリアのビジョンを お聞かせください。
原田:僕は将来的には、いろんな人が森林・林業に興味を持ってもらえるような活動をしたいと思っています。森林も林業も、僕たちの生活を支える欠かせないものですが、それを実感する場面はほぼないと思うので、それに気付いてもらえるようなインパクトのあるきっかけづくりをしたいです。
平岡:僕は将来的には梶谷さんや岡崎さん(黒滝村森林組合)のように、山仕事も町での「特殊伐採」も高いレベルでこなせるスペシャリストになりたいです。また、いろんな人に林業を知ってもらいたいですね。インターン先で木を伐っていたときに、子供が「わあ、かっこいい!」と言っていたのを見て、林業をもっと選ばれるような職業にしたいなと思いましたね。
国本:僕は森林管理方法や産業構造に課題意識を持ちこの学校に入学しました。卒業後は、地域に密着した行政職員として森林の管理業務の実践が始まります。まずは、地域を理解し好きになることから始め、地域にあった森林管理方法や林業活性化の方法を地域の方々と一緒に見つけたいと思っています。また僕も将来的に森林・林業に携わる仕事に就きたいと思う子供を増やすことで、日本の林業が持続可能な形になることに貢献したいと思っています。
Q.一番印象に残っている授業は どんな授業でしたか?
原田:印象に残っている授業は、「自然配植理論」の授業です。その土地に合った樹種を植栽することでその土地本来の自然の状態に戻していく、という考え方です。この授業で森林の奥深さ、というか途方もない部分を本当の意味で理解した気がします。
平岡:「林地の災害リスク」の授業を受けて、山の見方がガラッと変わりました。山が崩れるメカニズムを理解し、地形の凹凸や地質の特徴、指標となる植物等を把握する術を習得することで林業と国土保全の両立を考えられるようになりました。
国本:僕も平岡さんと同じで1,2学年続けて実施された「林地の災害リスク」という授業が最も印象に残りました。
Q.進路を決めていくにあたり、 NFAの職員から どのようなサポートがありましたか?
原田:希望する条件に合う就職先の斡旋などしていただきました!また、インターン時には学生の希望する事業体に受け入れてもらえるよう、掛け合ってくださいました。
平岡:県職員の高雄先生とはワイヤー加工の練習時や、チェーンソー実習でとてもお世話になりました。進路に関して、少し悩んでいた時も背中を押してくださり、勇気をもらいました。黒滝村森林組合に入りたいと決めてからも、間に入って頂き、とてもスムーズに話が進みました。本当に感謝しています。
国本:定期的に面談を実施して頂き、各市町村の特徴などを教えて頂きました。
Q.同級生や先輩・後輩と進路について 相談しあったりしましたか?
原田:社会人経験がある方々が多いので、仕事をする上でのモチベーションをどこに置くかなど、よく相談させてもらいました。アカデミーで一緒に勉強した仲間同士で、就職した後も横の繋がりを活かせるといいね、という話もしました。
平岡:家族で移住するならどんな土地がよいか、40代で林業を始めるならどのような事業体及び組合が向いているか、などの話をしました。
国本:2年間で計5回のインターンシップに参加し、参加後には毎回報告会が実施されました。自分が気になった全ての事業体や市町村のインターンシップに参加できるわけではないので、他の学生の報告を聞いたり、個人的に話を聞くことで多くの情報を得ることができ、進路の決定に大変役立ちました。